マンションを選んでいるときに目にするアウトポール設計。
室内をすっきりさせて有効面積を広くするというのはわかりますが、ほかにどんな特徴があるのでしょうか。
マンションを購入するうえで構造や設計はしっかり把握しておきたいものですよね。
今回はアウトポール設計のメリットやデメリットをご紹介します。
これからマンションの購入を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
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弊社へのお問い合わせはこちらどんなマンション?①アウトポール設計の概要
アウトポール設計というのは、その名のように柱を目立たないようにさせるための設計方法です。
アウトポール設計は別名アウトフレーム工法とも呼ばれ、アウトフレーム逆梁工法との2種類が存在します。
1990年代後半に価格をおさえるために採用されはじめ、以降マンションを購入するうえで重要なポイントになっていきました。
アウトポール設計とは
その名にちなんで室内の柱を目立たなくさせるための技法がアウトポール設計です。
従来のマンションはコンクリートの柱が室内に張り出しており、使える有効面積が狭くなってしまっていました。
これらの柱をバルコニーや共用スペースの廊下に出すことによって、室内から柱を無くすことができるようになったのです。
室内にコンクリートの柱がないので、当然室内は天井もコーナーもすっきりしていますし、家具の配置もしやすくなっていきました。
強度を保ったまま梁や柱が室内からなくなっているので、それなりに建築費用はかさみますが、使い勝手は大変良くなったのです。
2種類存在するアウトポール設計
このアウトポール設計は、アウトフレーム工法とアウトフレーム逆梁工法の2種類が存在しています。
どちらもバルコニー側に梁や柱がある構造には変わりません。
この二つの違いは、アウトフレーム工法はバルコニーの部屋寄りの位置に梁が出ているのに対して、アウトフレーム逆工法はバルコニーの手すりの位置に柱や梁を出しています。
こうしたアウトフレームの技術の導入により、小さいお子さんの居る家庭では柱にぶつかる事故が防げ、家具の配置もしやすくなりました。
また、逆梁ハイサッシという技術は光をより取り入れることが可能となります。
1990年代後半のマンションの特徴であるアウトポール
1990年代後半といえば、建物倒壊が衝撃的だった阪神淡路大震災です。
この震災以降、構造や基本性について関心が高まっていき、耐震構造などの高い技術が生まれていきます。
そうなると柱や梁は部屋を守るためにも重要なものになっていきますから、除外するわけにはいきません。
しかしこのアウトポール設計の導入により、部屋の専有面積を広げることなく、有効面積を広げることが可能となったのです。
どんなマンション?②アウトポール設計を採用するメリットとは
マンションのアウトポール設計がもたらすメリットといえば、なんといってもすっきりとした解放的な空間です。
広くてすっきりとした間取りは家具の配置がしやすく、小さなお子さんの居る世帯なら衝突事故も防げます。
さらに逆梁ハイサッシであれば、部屋の明るい時間が長いという利点もあります。
すっきりとした空間で開放的
アウトポールの部屋は柱や梁が室内にないので、開放的な空間になります。
こうした空間は余計なデッドスペースがないので、掃除がしにくい空間が生まれにくいのも特徴です。
小さいお子さんが居れば余計な事故を防げます。
お子さんが夢中になっていて柱に激突する事故は想像よりも多く、こうした余計なものがないスペースはファミリー世帯にうれしいポイントとなります。
開放的な空間は風通しも良く、日当たりもよくなりますので、マンションの室内は必然的に快適な空間になるのです。
有効面積が広いため家具の設置がしやすい
柱が室内にせり出している状態というのは、想像以上に部屋に圧迫感を与えます。
正方形の部屋の四隅に四角い柱があるとそれだけで家具の設置に苦戦していまいます。
こうした柱が四隅から消えると、部屋の隅々まで有効活用できますので、部屋の有効面積を考えて家具の設置に苦戦する必要がなくなります。
あれこれ考えて家具を設置しても、柱のせいでデッドスペースができてしまって掃除がしにくくなってしまっては不便です。
そうしたストレスからも解放してくれるのがうれしいポイントです。
室内が明るい時間が多い
アウトポール設計でさらに、逆梁ハイサッシを取り入れれば室内に陽の光が差し込む時間が長くなります。
明るくなる時間が長いので、太陽光を長いあいだ取り入れられるのも魅力的な部分です。
開放的な空間に明るい日差し、そして物件によっては景観にもこだわっていますので、住んでいるだけで嬉しくなります。
どんなマンション?③アウトポール設計を採用するデメリットとは
メリットの多いアウトポール設計ですが、当然デメリットも存在しています。
現在景観の良いアウトポール設計のマンションはオリンピックの影響もあって高騰しています。
さらに柱や梁を室外に追いやっている関係でバルコニーの面積が狭くなってしまいます。
そのうえ、一見メリットと思える広い窓は、カーテンの面積を広くしてしまうというデメリットにもなってしまいます。
人気も高く場所によっては高騰している
記憶に新しいのが東京オリンピックバブルです。
こうした影響もあり、タワーマンションはエリアによっては最近非常に価格が高騰しています。
中古物件を購入する場合、新築のときの価格と比べて著しく高騰しているようであれば、購入は少し検討したほうが良いでしょう。
また、1990年代前半のマンションはバブル期ということもあり、見た目が豪華でも内部構造が心もとない場合があります。
周辺のマンションが高騰しているなか、1990年代前半建築のマンションが少し安価に見えても、構造ははちゃんとチェックしたうえで購入しましょう。
バルコニーの面積が狭い
アウトポール設計はその構造上、柱や梁をバルコニー側に出してしまいます。
そのため、当然ながらバルコニーの専有面積は必然的に狭くなるのです。
洗濯ものなど以外にも、清掃したフィルターや靴など活用することの多いバルコニーですから、面積が狭いと意外と不便なこともあります。
また、マンションのバルコニーは避難はしごが設置されています。
場合によってはバルコニーをつたって避難する必要がありますが、もしバルコニーに、荷物が大量に置かれてしまっていれば、避難は難航してしまいます。
荷物自体は多くなくても、面積によってにそうしたケースもあるというのも、注意しておきたいポイントです。
天井ギリギリまで窓があるので、断熱性に劣りカーテンのコストも高い
本来ならメリットとも言える天井ギリギリまで大きな窓ですが、これも実は思わぬデメリットがあります。
それは、窓の面積が広いがゆえの断熱性能です。
とくに、冬場は広い窓によって室内の温度が下がってしまい、暖房費用がかかる場合があります。
また、窓が大きいということはそれだけ使用するカーテンの面積も広くなるので、カーテンの費用も大きくなります。
暖房やカーテンといったコストの面でデメリットがあるというのは、忘れないようにしておきたいところです。
まとめ
近年ほとんどのマンションが導入しているアウトポール設計とは、室内から柱を除外して室内をすっきりとさせる技術です。
部屋が広く使えて家具が設置しやすいといったメリットがある一方で、バルコニーが狭くなったり断熱性に劣りカーテンの面積が必要になるデメリットも存在します。
こうしたデメリットもしっかり把握したうえで、ぜひ快適なマンションを探すのに役立ててみてください。
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