確実にマンション売却できる「買取保証」はどんな仕組み？メリットや注意点

「売れ残ったらどうしよう…」。
心配を感じながら、マンション売却を計画されるケースがあります。
そんなときの選択肢として、検討したいのが「買取保証」です。
買取保証について知識を深めておくことは、マンションを早期売却する賢い近道となるかもしれません。
この記事を読むと、仕組みや流れ、メリットから注意点まで理解できますよ。

マンション売却の手堅い方法「買取保証」とは？

「買取保証」とは？

売却方法のひとつになる「買取保証」は、一定の期間、仲介をしたのち、マンションが売れなかったら不動産会社が買い取ってくれるというものです。
通常、マンションの売却法は、不動産会社が購入者を見つける「仲介」と、不動産会社自身が直接購入する「買取」の2つのうち、いずれかが選択されます。
つまり、「買取保証」とは、仲介と買取の利点を組み合わせた仕組みといえるでしょう。
一般的な「仲介」では、市場に応じた適正価格で、高くマンションを売却できる反面、売れ残るケースもあります。
一方、「買取」では早く確実に売却ができますが、不動産会社は転売するために、相場を下回る金額となります。
いずれもリスクがありますが、「買取保証」ならクリアできる可能性があるのです。
通常は3カ月ほど、高値を狙える仲介で売却活動をし、その後、不動産会社が買い取るのでマンションは売れ残りません。
また、買取は「即時買取」と「買取保証」に大別できます。
即時買取とは、1週間ほどで売却が可能ですが安くなる傾向があります。
買取保証の場合には、時間は必要になるものの、マンションが市場価格に近い金額で売れる可能性も秘めています。
さらに、買取保証を活用してマンション売却をすると、後日、転売できると買主へ利益還元がされる不動産会社もありますよ。

なぜ「買取保証」できるの？

仲介と買取のいいところ取りとはいえ、「落とし穴はないの？」と気になるかもしれせん。
買取保証があるのは、不動産会社がよりよい売却提案をすることで、仲介件数の獲得を図るためです。
利益よりも、仲介件数を重視しており、場合によっては、買い替えによる仲介手数料が得られる可能性もあります。
不動産会社にもメリットがあるため、うますぎる話と心配するようなこともありません。

どんな場合の利用がおすすめ？

買取保証を検討するとよいケースとは、「期限があって、それでまでにできるだけ高く現金化したい」場合です。
たとえば、「急な転勤になったから、早く売りたい」「離婚することになった」「相続のために、現金で財産分与したい」などです。
また、「住み替えで、新居に移るまでに売りたい」という人も、おすすめですよ。
住み替えでは、一時的に費用負担が増えるので、早く確実に資金を得られる買取保証は有用です。

「買取保証」の一般的な流れ

不動産会社などによっても変わりますが、マンションを買取保証を利用するときの一般的な流れを確認しておきましょう。
まずは「審査」の申し込みです。
買取保証が可能な物件か、他社と契約していないかなどが確認、判断されます。
審査は2週間ほどで完了します。
通過すると、次は「買取保証価格の提示」があります。
提示された価格や説明で納得ができたときには、「専属専任媒介」で売契約を結び、販売活動へと入ります。
以降は、広告や内覧など、通常の仲介と変わりない活動がされますが、1社と結ぶ専属専任媒介をしているので、不動産会社も販売活動に注力してくれるでしょう。

マンション売却で「買取保証」を利用したときのメリット

スケジュールを明確にできる

仲介とは違い期限があるので、確実にマンション売却できることは、スケジュールの面でも大きなメリットです。
通常のマンション売却は、4～5カ月ほどかかりますが、買取保証では、仲介期間を3カ月に設定しているのが一般的です。
転勤などで引越しの期限がある場合や、住み替えで新居に引越す場合にも、焦って安値にすることなく、スケジュールを進めていくことができますね。

資金計画も立てやすい

通常の仲介では、実際にマンション売却が決まるまで、「いくらで決まるだろう」「値切られるだろうか」という懸念もあります。
しかし、買取保証では、金額も買取日も最初に決められるので、不安定な資金計画になりません。

売主への利益の還元

前述したとおり、なかには「利益還元」をしてくれる不動産会社も一部にあります。
転売後の利益から、手数料を引いて売主に還元されるメリットとともに、不動産会社との間で信頼感のある取引ができるでしょう。

仲介期間は市場価格で売れる

仲介期間のうちに、マンション売却が成功するというケースもあります。
仲介期間は、値付けも自由に設定でき、相場に見合ったより有利な価格での売り出しも可能です。
査定額が基本的には基準になりますが、運がよければ、有利な価格でも売却がかなう可能性もあります。
仮に仲介期間に売れなかった場合にも、買取が控えているために、いったんは納得できる金額での売り出しにもチャレンジできるのもメリットですね。

周囲に知られず売却できる

高く売れる可能性がある仲介ですが、周囲にマンション売却を知られたくないケースもあるでしょう。
そんなときには、あらかじめ不動産会社に「内緒での売却がしたい」と希望を伝えて媒介契約するのがポイントです。
パートナーである不動産会社の協力を得られ、内緒で売ることができるでしょう。

無理に内覧の準備をしなくてもいい

仲介以外も視野にいれた売却なら、内覧に無理をしなくてもいいというのもメリットです。
とくにマンションに住んだまま内覧をおこなうときには、準備も大変です。
売れるまで、度々の掃除や片付け、日程調整と当日の対応を繰り返すことは、骨が折れます。
買取時にはいらなくなった家電などを無料で処分する不動産会社もあるので、片付けに時間を割けないときにはうれしいメリットですね。
また、リフォームなども、買取の場合、基本的には不要ですよ。

仲介手数料が0円で済む！？

仲介手数料は、マンションの価格の3％＋6万円で算出されます。
たとえば、4000万円のマンションなら126万円です。
しかし、買取は「仲介」という扱いではないので、仲介手数料は必要ありません。
それだけ節約できるのも大きなメリットですね。

マンション売却に「買取保証」を利用するときの注意点

仲介よりは安くなる

買取保証すると、仲介で売買するよりも、金額は低くなってしまうデメリットがあります。
マンションの状態などによっても変わりますが、相場の8割ほどがひとつの目安です。
これは転売にもリノベーションなどに必要となる費用のためです。

会社による制限

買取保証では、不動産会社ごとの制限や判断基準が設けられている場合があるのが注意点です。
その制限がデメリットとなってしまうケースもあります。
たとえば、買取の対象となるマンションの立地などです。
駅からの距離やエリアの需要など、買主がつきにくいと、保証されない場合があります。
また、仲介期間では段階的に価格を下げる戦略をとっており、売り出し価格の上限を設けている不動産会社もあります。
会社によって内容や基準は変わるので、確認するのがおすすめです。

不動産会社を途中で変更できしない

媒介契約は、もともと「一般媒介契約」「専任媒介契約」を含む3種類あります。
しかし、買取保証で利用できるのは「専属専任媒介契約」のみなのが注意点です。
「専属専任媒介契約」では、複数の会社と同時に契約はできず、また、自分で探した買主には売却できません。
通常3カ月の契約期間中には解約もできません。
途中で不動産会社を変更できないことがデメリットにならないよう、契約前に、十分に検討しましょう。

まとめ

マンション売却の賢い選択肢となる「買取保証」。
メリットが多く、売主としては安心感もあります。
一方で、注意点もありますから、先々まで納得できるよう契約前にしっかり検討しましょう。