「お隣さん、駅前のマンションを購入して来月引っ越すんですって、まだ若いのにすごいわね、我が家もそろそろ購入を考えないとね」
「お向かいのご夫婦なんだけど、ずっと賃貸暮らしをつづけてもうけっこうお年みたいで、これからマンション購入するのは大変じゃないかしら」
貯蓄額・年収・今の家賃など、マンション購入を検討するときの判断基準はいくつかあると思いますが、とくに年代は大きな比重を占めるファクターの1つです。
そして購入する年代によっては、住宅ローンの返済・支払い能力を支える年収・新天地での生活基盤を築く時期といった面でさまざまなメリット・デメリットが考えられます。
この記事では、マンション購入が多いピーク年代や平均的な年齢を考察すると同時に、各年代における購入のメリット・デメリットについて解説します。
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この章ではマンション購入の年代別分布や平均年齢について、中古マンションと分譲マンション別に、統計情報に基づき解説します。
あわせて、はじめてマンションを購入する場合と住み替え購入の場合におけるそれぞれの年代別分布、過去の時系列推移やエリアによる違いも見ていきましょう。
マンション購入の年代別分布と平均年齢1 概要
国土交通省住宅局が毎年4月前後に発表している「住宅市場動向調査」によると、マンション購入の平均年齢は中古で48.2歳、分譲タイプは5歳ほど若く43.3歳です。
各年代の分布ついて中古マンション購入の場合、もっとも多い年代は40歳代の28.7%で、次いで30歳代の23.9%・60代の20.7%・50代の19.5%となっており、年齢順という訳ではありません。
一方で分譲マンション購入の場合は中古マンションと傾向が違い、もっとも多い年代は30代の43.5%で次は40代の25.3%と、30代・40代で購入の7割近くを占めています。
マンション購入の年代別分布と平均年齢2 初めての購入
初めて購入するケースでの平均年齢については、中古マンションの場合で44.8歳、分譲マンションで39.4歳といずれも4歳ほど若くなります。
年代別分布も中古マンションの場合で40代31.3%・30代30.3%、分譲マンションで30代51.7%・40代26.5%と、いずれも30代・40代のウエイトが高まっています。
マンション購入の年代別分布と平均年齢3 住み替え購入
住み替え購入するケースでの平均年齢については、中古マンションの場合で57.8歳、分譲マンションで58.2歳といずれも60歳近くに達しています。
年代別分布も中古マンションの場合で60代46.1%・50代23.5%、分譲マンションで60代48.2%・50代19.6%と、いずれもシニア層が中心となっています。
マンション購入の年代別分布と平均年齢4 時系列推移
続いて時系列推移について、中古マンション購入の平均年齢はここ5年間で2.2歳ほど上昇していますが、分譲マンションは変化ありません。
マンション購入の年代別分布と平均年齢5 エリア別の傾向
エリア別の傾向ですが、全国平均の住宅購入平均年齢が43.2歳なのに対し三大都市圏(首都圏・中京圏・近畿圏)が43.7%ですから、大都市のほうが若干年齢がアップします。
20代30代のマンション購入のメリットやデメリットについて
新規購入の分譲マンションを購入する年代に関しては、20代30代の年代が全体の6割近くを占め、他の年代を圧倒する存在感を示しています。
この章では新規購入の分譲マンションを中心として、暮らし面と資金面の両方の視点から、この年代でマンションを購入するメリット・デメリットを解説します。
20代30代でマンションを購入するメリット
20代30代の年代でマンションを購入するメリットは、お子さんがいる家庭なら、まだ子供が小さいうちから新しい土地になじむことができる点です。
この年代なら将来のローン負担を考えてもメリットは大きく、返済期間によっては定年前にローンを完済してしまう資金設計も十分可能です。
この年代で持ち家を購入すれば、若くして賃貸暮らしと決別できるわけで、延々と払い続けなければいけないはずの家賃負担を削減できます。
20代30代でマンションを購入するデメリット
20代30代でマンションを購入するデメリットは自己資金の問題で、この年代では40代50代と比較すると、自己資金がまだ確保できていません。
最近はローン審査が以前より緩和傾向にあり、自己資金が少なくても審査も通りがちですが、その替わり購入後の返済負担は重くのしかかります。
とくに若い年代は一般的に収入も低く、これから子供の教育費もかかってくるので、背伸びをせずに身の丈にあった物件を購入しないと、あとで困ることになります。
40代50代60代のマンション購入のメリットやデメリットについて
この章では、40代50代でマンションを購入する場合のメリットやデメリットについて、生活面や購入資金確保といった視点をまじえつつ解説します。
あわせて、60代でマンションを購入するメリット・デメリットについて、初購入か住み替え購入かの違いも含めて、さまざまな視点から見ていきましょう。
40代50代でマンション購入するメリット
この年代でマンションを購入するメリットの1つは資金面で、自己資金も20代・30代より確保できているうえに収入も余裕がある場合が多く、返済負担は相対的に軽くなります。
40代50代でマンション購入するデメリット
逆にデメリットですが、この年代で自己資金が不足しているまたは年収が低い場合は、残りの現役時代が短いだけにローンを組むのが難しくなります。
暮らしの面のデメリットですが、この年代だとお子さんたちも大きくなり、すっかりその土地に根付いているケースも多く、新天地で生活をスタートさせるにはエネルギーが必要です。
60代のマンション購入のメリットやデメリット1 初購入のメリット
60代になるまで賃貸暮らしを続けていた場合、マンションを新規購入する最大のメリットは、安心して暮らし続けられる住まいを確保できる点です。
賃貸の場合、貸主が家賃滞納や孤独死のリスクを懸念するあまり高齢者の入居や契約更新を敬遠しがちであり、とくに人気物件に関してその傾向が顕著です。
60代でマンションを新規購入する2番目のメリットは、今まで支払い続けてきた家賃負担の軽減であり、とくに昔より寿命が延びている状況を考えるとなおさらです。
60代のマンション購入のメリットやデメリット2 初購入のデメリット
60代でマンションを新規購入する場合のデメリットは購入資金問題で、60代でローンを組むのは年代的に審査面でハードルが高く、購入するには自己資金の確保が欠かせません。
たとえ自己資金が確保できたとしても、この年代になって考えなければいけないのは老後資金の確保で、自己資金のすべてをマンション購入に充てるのはリスキーです。
60代のマンション購入のメリットやデメリット3 住み替え購入のメリット
60代で子どもの独立に伴い戸建てからコンパクトなマンションへ住み替えるケースでは、戸建ての売却によってマンションを買っても手元に資金が残る場合も少なくありません。
60代のマンション購入のメリットやデメリット4 住み替え購入のデメリット
60代でマンションを住み替え購入する場合のデメリットは、60歳を過ぎて住み慣れた土地を離れ、新しい土地に慣れるのは年代的にハードルが高い点です。
まとめ
マンションを新規購入するにしても住み替え購入するにしても、年代によって状況は異なり、メリット・デメリットも変わってきます。
マンション購入にあたっては、年代別のメリット・デメリットを踏まえ、購入資金調達と購入後の新生活などを勘案したうえで、買う時期を判断しましょう。
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